百姓の平八郎

無事田植えを終えた平八郎であったが、気づかぬうちに、農薬入り石灰丸を一粒その水田において来てしまったのであった。

家に帰り、おちょこの酒を気持ちよく飲み干す平八郎。酒はたっぷりある。だがその頃その石灰丸は水の溶解力により少しずつ溶け出していたのであった。

「ぬぉぉぉぉぉぉ」平八郎は自分の心が怒りで満ちてくるのを感じた。髪は逆立ち、怒りは天にまで達する。「怒りで満ちてくるぞ、怒りで満ちてくるぞ。」平八郎は怒りで満ちた。だが怒る以外にどうして良いかわからなかった。怒る以外にはどうして良いかわからなかったのだ。平八郎はふて寝した。

天井を眺める平八郎は寝られなかった。「寝れない系の寝たさだな」と平八郎は思った。「だが風師の奴が俺のことをナメているのだけはわかった。奴め、俺のことを怒らせて狂死にさせるつもりか、それぐらい俺のことをナメていやがる。」平八郎は自分自身に確認をとった。アファメーションというやつだ。「マジでガチでキレた非常事態で間違いないな。俺には何をする権利があるのか、確認をば。」平八郎は深い瞑想状態に入った。「戦争だ」と平八郎は思った。「だが簡単に人を殺めてはならない。」

その頃風師は口に楊子をくわえて、気持ちよく山野を歩いていた。